コンテナターミナルの知識 1-1
Ⅰ. 日本のコンテナターミナル
日本初のコンテナ専用ふ頭は、1967年3月に供用を開始した神戸港摩耶ふ頭であった。
その後、1967年9月に東京港の品川埠頭が竣工、1969年に横浜港本牧A埠頭A8、A7CT、大阪港大阪国際CT、1971年名古屋港NCB、1971年~75年に東京港大井埠頭、1974年 神戸港神戸国際CT、1979年横浜港大黒埠頭C1、C2、1984年横浜港本牧D突堤、1981年 東京港青海CT、1997年 北海道苫小牧港 入船CT、2001年横浜港南本牧CT、2005年北九州港ひびきCTなど次々に建設されていった。
1. 施設
- ⑴ 岸壁(Wharf、Pier)
- ⑵ エプロン(Apron)
- ⑶ マーシャリング・ヤード(Marshalling Yard)
- ⑷ コンテナ・ヤード(Container Yard)
- ⑸ コンテナ・フレート・ステーション(Container Freight Station)
- ⑹ コントロール・センター(Control Center)
- ⑺ メンテナンス・ショップ(Maintenance Shop)
- ⑻ ゲート(Gate)
- ⑼ 本部事務所(Administration Office)
- ⑽ その他(冷凍コンテナ用電源設備、受電設備、給油施設、照明設備、洗浄設備、船舶給水設備、駐車
- 場等)
① 岸壁 | ⑥ 冷凍コンセント | ⑪メンテナンス ショップ |
② ターミナル敷地 | ⑦管理棟 | ⑫コンテナ検査場 |
③ ガントリークレーン | ⑧守衛棟 | ⑬受変電設備 |
④ ガントリークレーン | ⑨ゲート | ⑭給油所 |
⑤ ストラドルキャリア | ⑩トランステナー駐機場 | ⑮照明設備 |
2. 荷役機械
- ⑴ ガントリークレーン(Gantry Crane)
- ⑵ トランステナー(Transtainer)
- ⑶ ストラドルキャリア(Straddle Carrier)
- ⑷ フォークリフト(Fork Lift)
- ⑸ トラッククレーン(Truck Crane)
- ⑹ ヤードトラクター(Yard Tractor)
- ⑺ シャーシ(Chassis)
- ⑻ スプレッダー(Spreader)
横浜港南本牧ふ頭 MC3・MC4ターミナル 日本初の大深水バース
世界最大級のコンテナ船に対応できるコンテナターミナル
- 出典:国土交通省関東地方整備局 京浜港湾事務所作成
- 横浜港埠頭株式会社 公式サイト
日本に於けるコンテナターミナルの変遷
※ターミナルの広さ
現行基準
20,000㎡ ~ 40,000㎡ | 小規模ターミナル |
40,000㎡ ~ 100, 000㎡ | バース水深15m未満 |
70,000㎡ ~ 120,000㎡ | バース水深 15m以上 |
175,000㎡ ~ 229,000㎡ | バース水深 16m以上 |
※バース水深
-12m ⇒ -13m ⇒ -15m ⇒ -16m ⇒ -18m
※岸壁の長さ
250m ⇒ 300m ⇒ 350m ⇒ 400m ⇒ 500m
※ガントリークレーン
揚程 | コンテナ列 | |
初期のガントリー | 40.0m | 13列 |
スーパーガントリー | 48.5m超えるもの | 20列 |
メガガントリー | 56.0m超えるもの | 22列以上 |
横浜港南本牧埠頭
広さ | 岸壁 | 水深 | ||
MC1 | 175,000㎡ | 350m | 16m | |
MC2 | 229,000㎡ | 350m | 16m | |
MC3 | 225,000㎡ | 400m | 18m | 実質水深20m |
MC4 | 225,000㎡ | 500m | 18m | 実質水深20m |
世界最大級のコンテナ船(14,000TEUサイズ)
- 全長399.95m×幅61.40m×深さ33.20m 喫水16.00m
- 接岸条件 喫水×1.1倍(+10%考慮)
- 喫水16.00mの場合 ➡︎ 16.00m×1.1=17.60m(水深)
- 世界最大のコンテナ船が満船で入港した場合、日本の港湾で接岸できるのはMC3、MC4バースのみ。
3. ヤード機器のいろいろ
① ガントリークレーン
② トランスファークレーン(トランステナー)
パナマックスクレーン:
パナマ運河を通航できる最大船型(小型コンテナ船)用のガントリークレーン 従来のパナマックス船は3,400~4,500TEUだったが、運河閘門の拡大工事後の2014年以降のニューパナマックス船は 12,500TEU(横19~20列×16段×22Bayで全長366m、全幅49m、喫水15.2m以内)
ポストパナマックスクレーン:
パナマ運河を通航できない大型船(ポストパナマックスII: 6,000~8,500TEU、横17列×15段×20Bay、全長397m、全幅56m、喫水15.5m以内)に対応したガントリークレーン
スーパーポストパナマックスクレーンまたはメガマックス:
ポストパナマックス船よりも大型のメガマックスコンテナ船(21,000~25,000TEU、横24列×25段×24Bayで全長400m、全幅61m、喫水16.2m以内)荷役に対応したガントリークレーン
③ ストラドルキャリア
④ フォークリフト(爪フォーク)

③ 出典:東京港埠頭株式会社

④ 出典:ジェイアール貨物
④ フォークリフト(実入り用トップリフター)
④ フォークリフト(空バン用トップリフター)

④ 出典:Wikipadia

④ 出典:トヨタL&F
⑤ リーチスタッカー
⑥ 海上コンテナ用シャーシ
⑦ トラクター、ヘッド
⑧ コンテナ用スプレッダー
⑨ コンテナ用スプレッダー(ツインタイプ 2本吊)
⑩ コンテナ用スプレッダー(ツインタイプ 4本吊)
※スプレッダー:コンテナ専用のつり具で、コンテナをつかむためのツイストロック、位置合わせのためのガイド装置等が備えられており、通常、油圧作動で運転室より遠隔操作される。20FT、4FTにサイズを変更できる。その四隅にはツイストロックがあり、90度回転することによりコンテナを引っかけて掴むことができる。