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 国土交通省が保有・運営する港湾物流プラットフォームのサイバーポートと(株)トレードワルツが運営する貿易プラットフォームのTradeWaltzは連携機能の実運用を7月25日から開始した。また、サイバーポートは危険品関連書類を電子化し、危険品関連の手続きや業者間のやりとりの効率化を目的に、危険品機能のトライアル版をリリースした。
 従来、物流事業者が荷主から輸出入通関依頼を受ける際にはInvoice、Packing List、Shipping Instructionなど必要書類が紙やメールでやり取りされ、これら数量等の商品情報を社内システム等に再入力する必要があったが、サイバーポートとTradeWaltzの連携機能が可能になったことから、サイバーポートを利用する物流事業者は、TradeWaltzを利用する荷主からの輸出入通関依頼をTradeWaltz経由で受け取ることが可能となり、後続の通関手続など情報の再入力なしで実施可能となった。サイバーポート/TradeWaltzは2024年1月に連携機能を構築し、その後、機能のブラッシュアップや両プラットフォームのユーザーによる概念実証(PoC)*注を実施し、このほど両プラットフォームに必要な機能改善が完了したことから、サイバーポートとTradeWaltzの連携機能の実運用を開始したもの。
 また、サイバーポートは7月24日、危険品関連書類を電子化し、手続きや業者間のやりとりを効率化することを目的とした共通帳票送信や一覧検索、承認機能など危険品関連の手続きなどのトライアル版をリリースした。本番環境へのリリースは2025年年度末(2026年3月末)の予定。
 同機能はトライアルとしての提供のため、隔離した環境であるサンドボックス*注環境限定となる。リリースした危険品機能では、UL030:危険物明細書(通称:赤紙)、UL031:危険物または有害物事前連絡表(通称・白紙)、UL032:危険物明細書・危険物または有害物事前連絡表・共通帳票の3種類の帳票を入力、送信できる。共通帳票は赤紙としても白紙としても送信可能で、送信画面で選択ができる仕様。これら危険品帳票(共通帳票、赤紙、白紙)は、いずれかを作成すると、他の2帳票も同時に作成できる。
 また、自身が参加している取引の危険品帳票(赤紙、白紙、共通帳票)を一覧で検索が可能。一方、港湾貨物運送事業労働災害防止協会が危険物または有害物事前連絡表(白紙)を承認する機能も備える(トライアルのため実際の承認作業はない)。また自身が参加している取引の危険物明細書(赤紙)からDGリスト(Dangerous Cargo List)を出力できる。サンドボックス環境での公開で、トライアルは2025年度末(2026年3月末)までの予定。その後、本番環境へ移行する予定だ。

*注サンドボックス(sandbox)環境とは、プログラムやアプリケーションを安全に実行するため、コンピュータ内に設定された仮想環境の事。ウィルスやマルウエア(悪意のあるソフトやプログラムの総称)がシステムに侵入するのを防ぐため、疑わしいプログラムを隔離して実行するので、システム全体を危険にさらす事なく、新しいソフトを試すことが可能。エラーやバグの本番環境に影響を与える事のリスクを最小限に抑えることが可能で、とくに未知の脅威に対する防御手段として効果的。


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