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 分析輸送見積もりをワンストップのオンラインサービスで提供しているFreightos(香港)が10月15日に発表した前週のFreightos Baltic Index(FBX)と呼ぶ世界の主要12航路におけるコンテナ運賃指数の総合指数は1546と前週比6,8%下落、前年同期比では59.3%の下落だった。

 安全性や核不拡散の実現に不可欠であり、社会的受容にもつながるとしながらも、原子力商船の商業化は予測可能で調和の取れた規制枠組みが国内外で必要と強調。さらに、燃料供給から廃棄物管理までのライフサイクル全体のコストを事業計画に組み込む必要があり、モジュール化によるコスト削減の可能性を認めつつも、社会的受容と投資家の信頼獲得には課題が残ると指摘し、原子力によるネットゼロの実現は依然として遠い、としている。

 アジア発北米西岸向け(FBX01 Weekly)は前週比8%下落し1,431ドル/FEU、アジア発北米東岸向け(FBX03 Weekly)は8%下落し3,015ドル/FEU、アジア発北欧州向けは9%下落し1,747ドル/FEU、アジア発地中海向けも4%下落し2,131ドル/FEUとなった。また、航空貨物運賃指数のFreightos Air Indexは、中国~北米線が19%上昇し5.33ドル/kg、中国~北欧州線は3%下落し3.92ドル/kg、北欧州~北米線は1%下落し1.70ドル/kgだった。


 Freigtosの分析によると、先月の米中交渉の進展報告を受け、10月14日の発効前に米通商代表部(USTR)が港湾利用料の引き下げまたは撤回を行うとの期待も一部で持たれていた。しかし実際には、過去1週間で世界最大の2つの経済大国間の貿易摩擦が激化の一途をたどっている。

 当面の影響としては、一部中国船社が米通商代表部(USTR)の課徴金が自社スケジュールに影響せず顧客への追加料金も発生しないと表明していること、また大半の他社が米国寄港対象船舶数を削減していることから、現時点では東航の太平洋航路の運賃・運航・輸送力に大きな影響を与える可能性は低い。Clarksons Research(英国)の推計によれば、中国の港湾料金が影響を与える寄港は全体の約5%にとどまり、影響を受ける大半の船社は船舶配船先を調整してリスクを最小化する見込みで、これらの料金が大きな影響をもたらす可能性は低い。

 一方、イスラエルとハマスの停戦第一段階により、紅海へのコンテナ輸送再開への期待が高まっている。運航遅延や混雑が一定期間続いた後、市場に相当量の輸送能力が戻ると見込まれる。CULines(中国)をはじめとする各船社は既にスエズ運河経由のサービスを増便している。ただ、大半の船社は、安定性と安全性が十分に実証されるまで、紅海航路の再開を見送る見込みだ。

 海上運賃は既に2023年末の紅海危機直前以来の最低水準まで下落している。先週の太平洋航路運賃はさらに8%下落し、貿易戦争による年初の前倒し需要により、現在の米国輸入量は2023年半ば以降で最低水準と推定、12月まで減少が続くと予測されている。この状況が供給増加と相まって、太平洋航路の運賃に強い下方圧力をもたらしている。

 アジア/欧州航路の需要は昨年を上回る見込みで、輸送量の堅調さと、主要港湾での労働争議により悪化した継続的な混雑にもかかわらず、スポット運賃は先週9%下落し2023年の水準に戻った。これは現在の運賃動向の主要因が輸送力拡大であることを示唆している。
 各船社は11月に約1,000ドル/FEUの一括運賃値上げ(GRI)を計画。太平洋航路でもGRIを発表する船社があり、欧州航路の長期契約更改交渉を前に運賃引き上げを図っているが、10月の大幅な輸送力削減は、運賃下落の抑制には至っていない。


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