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 船舶運航管理システムのプラットフォームを開発・提供しているVeson Nautical(米国)が発表した今年第4四半期(10~12月)の海運市場見通し予想によると、世界の海運市場は、依然として重大な構造的混乱の影響下にあり、コンテナ船は、紅海の迂回ルートの利用にもかかわらず、TEUマイル需要の伸びは2025年にわずか2.4%にとどまる見込みで、2026年から2028年にかけては平均3%の成長となる。米国輸入関税が成長を抑制し、紅海迂回ルートによる上振れ余地は限定的で、追加航海距離は既に現在の市場動向に織り込まれているためだとしている。



 約430万TEUの供給増にもかかわらず、運賃は2024年通年から2025年初頭まで堅調を維持、これは船社が供給増加を抑制するため平均航海速力を2.3%減速したことが支えとなっているためで、2026年以降は船隊の増加が需要を上回るため、運賃は着実に下落すると予測している。

 2023年の純コンテナ船隊増加率は平均5.5%、2024年は9.7%を記録、活発な発注活動にけん引され、2025~2028年の平均成長率は8.7%と予測される一方、TEUマイル需要の伸びはより緩やかなため、需給不均衡が生じている。

 高運賃が堅調な発注活動を促進し、2025年には約330万TEUの新造コンテナ船が発注済みとなっており、今後数年間で約1,000万TEUの新造船が市場に投入される見込みであり、地政学的混乱による航路変更需要が続く中でも供給過剰が予想される。


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