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国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した年次最終版「世界貿易動向」報告書によると、2025年の世界貿易額は初めて35兆ドルを突破し、前年比約7%増になる見込みだ。地政学的リスクの高まりとコスト上昇という背景にもかかわらず、過去最高を更新する。
 報告書は海上貿易が主要な成長エンジンとなり、2.2兆ドルの貿易額増加のうち約1.5兆ドル寄与、サービス貿易は約9%成長し、増加幅は約7,500億ドルに達した。また、第4四半期(10~12月)には成長勢いが鈍化し始め、商品貿易はわずか0.5%増、サービス貿易の伸び率は2%にとどまったと分析している。
 地域別に見ると、東アジアが2025年に最も顕著な成長を示し、輸出は過去4四半期で9%増加、域内貿易は10%上昇した。また、アフリカ地域の輸入は10%増、輸出は6%増と好調で、発展途上国間の「南南貿易」は8%増と世界トップの伸び率を記録した。
 北米と欧州は比較的穏やかで、北米の輸出は前期比でわずか2%増だったが、第3四半期(7~9月)には3%減となった。欧州の輸出は前年同期比6%増だったが、直近四半期は2%増に減速した。
 UNCTADは、製造業が依然として世界貿易をけん引する主要エンジンで、直近4四半期で10%成長したと指摘した。特にAI需要の急増により、電子製品貿易は14%増と大幅に伸びた 。農産物も同様に堅調で、3Qは8%成長し、穀物、果物、野菜、油糧種子が特に好調だった。
 しかし、自動車産業は二極化、全体的な貿易は前年同期比4%減少、ハイブリッド車は22%成長、従来型ガソリン車は13%減、電気自動車(EV)は5%減となった。
 原材料分野では、鉄鋼が前年同期比40%増となったが、燃料価格の下落により資源エネルギー全体の貿易は依然として低迷している。
 UNCTADは地政学的な分断化が既に世界の航路とサプライチェーンのパターンを明らかに変化させていると指摘、信頼できる同盟国や友好国に限定してサプライチェーンを移転・再構築するフレンドショアリングと 既存の事業拠点から地理的に近い近隣国に事業を移転するニアショアリングの指標は3Qに明らかに回復し、2021年の水準に近づいた。世界の貿易集中度は上昇しており、より多くの貨物が主要経済体間に集中していると指摘している。



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